謎解きクイズ「和同開珎」の、たった一つの正解~品川心療内科マンガ

謎解きクイズ「和同開珎」の、たった一つの正解~品川心療内科マンガ

 

あなたは「和同開珎」というものをご存じでしょうか。

 

はい。
日本で最初の貨幣、と言われるものです。

読みは「わどうかいちん」または「わどうかいほう」。
どちらか明確に定まっていませんが、「わどうかいちん」の方がややメジャーなようで、
「わどうかいちん(ほう)」と書かれることも多いものです。

さて、まぁ、これ自体は大した話ではないですが。

自分自身「謎解き」や「脱出ゲーム」というものが大好きです。
そこでは、色々な問題が出るのですが、その中に「和同開珎問題」というものが存在します。

たとえば、こんな感じです。

今適当に作ったのですけども。手書きなので□すらイビツなんですけども。
これで、すべての→が「二字熟語」になる□は何か? という問題です。

分かりますでしょうか。

………

………

正解は「熱」です。
情熱・微熱・熱望・熱帯
になるわけですね。

せっかくなので、もう一問出しましょう。

 

さて、この□に何が入れば、四つとも二字熟語として成立するでしょうか。

………

………。

…………。

 

はい。

正解は「音」です。

母音・子音・音色・音感

になりますね。

母があるからといって「母乳だ! もう乳しかない!」という発想にとりつかれた人は詰むようになっています。

「乳感! 乳が感じることだ!」
「子乳! 子供にも乳は存在するはず!」
「乳色! 乳の色だ! 乳白色という言葉だってあるはずだ!」

とか言い張ってもかなりのムリがあり、正解と判断するのは難しいかもしれません。
何にせよ、変態ほど正解できないという恐ろしい問題です。

さて、とにかくこれらの問題は「和同開珎」と呼ばれます。

この貨幣の形が、いかにもその和同開珎の問題と似ているから、名付けられたわけですね。

ですので謎解きゲームに参加すると、
「さっきの和同開珎、難しかったですね」とか
「その和同開珎、解くのお願いします!」とか言う人もいます。

専門用語を当然のように使うの、やめてほしい。

これもまた、謎解きゲームが、初心者に敷居が高くなっている理由かもしれません。

まぁ、それはそれとして。
自分が今回疑問に思ったのは、

「そもそもこれが和同開珎というのなら、和同開珎そのものにも、『答え』があるのではないか?」

ということです。

そう。問題にするなら、

こういうことです。

で、しばらく考えたのですけども。

これ、恐ろしく難問で。いや、絶対に正解が出ない。
そもそも「和同開珎」の「珎」。
これで始まる熟語ってあるの? と。

しかもこれ「ちん」とか読むのが主流だっていうんですからね。

試しに左だけ並べてみましょう。

ちん□

あ、もうダメだ。
この時点で完成されている。この時点で、もう答えだこれ。
不完全な時点で完成されていて、完成させちゃダメだわと。

しかもここに当てはまるとして想定されるひらがなで、他の二字熟語、絶対に成立しませんもの。

ただ、ここで、これを「わどうかいちん」でなく「わどうかいほう」と読む場合、
この「珎」には、別の漢字が当てられるそうです。

それこそが「宝」。
そう。宝と同じだからこそ「ほう」と読む…というわけです。

であれば、ここを「宝」にして置き換えてみましょう。

 

すると、こうなります。

おお! なんか平和! さっきよりよっぽど問題になってる気がします!

………。

しかし。難問なのには変わりありません。
まず
宝□
で成立する二字熟語。
これ、調べてみると、意外に存在するんですよ。

宝飾  宝石  宝船  宝塚  宝殿  宝刀  宝塔  宝島  宝物

ただ、どれも他のものが成立しません。
誰だー! 誰だこの問題作ったの!(誰も作ってない)

………。

しかし。僕はついに、正解と言い切れるものを見つけたのです!

それこそが「鏡」。

まず「宝鏡(ほうきょう)」。
宝の鏡です。検索したら、一応そういう言葉は成立していました。
そして「和鏡(わきょう)」。
こちらも検索したら、「平安時代より前に、日本(和)で作られた鏡」という意味がちゃんと存在しているそうです。素晴らしい! やった!
しかもこの二つがほぼ同じものを指してるというのも綺麗です。昔の日本で作った鏡なら宝でもあるわ!と。

さらにまだ続けられます!

鏡開。

………。

そう。

「鏡開き」です。お正月のお餅を割るやつです。季節感もある!すごい!
「き」がないじゃん、とか無粋なことを言ってはいけません。鏡開き!もうこれでいい!

そして、最後のが残っています。

鏡同。

………

………。

お分かりになりますか。
鏡の前に立ってみてください。

そう! 同じですね! あなたとまったく同じ人が立っています!

「鏡同じ!」

鏡は同じ! 鏡同じ! もうこれで二字熟語として成立していることにしたい。完成。

というわけで、元祖「和同開珎」問題は、「鏡」が正解ということを最終解答にしたいと思います。

何より自分自身の人生の正解が見つからなくなりつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

(完)